騒音に関する法令

建築 法令

本日は、なんと建築ネタです。

まるきち、本来の専門知識になっています。

特にまるきちは建築関係の法律にはうるさい詳しいかはさておいて)ので、

たびたびこちらのネタもあげていきたいと思います。

一応、一級建築士ですので、信用してもらえるようにがんばりますっ!!

ということで今回は「音」です。

音の問題って永遠の難しいテーマですよね。。。

近隣から苦情が出たり、はたまたクライアントに遮音に関する根拠を求めれたり・・・。

設計者にとっても神経質になりがちな部分です。

ここでは音に関する3つの法令について、まとめていきたいと思います。

1.騒音規制法

文字通り、法律にあたるので対象となる施設等はこれを守らなければいけません。

目的

工場及び事業場における事業活動並びに建設工事に伴つて発生する相当範囲にわたる騒音について必要な規制を行なうとともに、自動車騒音に係る許容限度を定めること等により、生活環境を保全し、
国民の健康の保護に資すること。

主に工場等の施設から発生する騒音と、建設工事から発生する騒音に関する法律のようです。
並びに、と書いてあるので注意してください。

工場及び事業場の規制基準値

著しい騒音を発生する施設であって政令で定める施設(これを「特定施設」という。)を設置する工場又は事業所において、発生する騒音の特定工場の敷地境界線における規制基準値各地域毎に定
められてる。

上記はある一定の地域に分類されており、それぞれの区域、時間帯に応じて敷地境界線における規制基準値が定められているということになります。

そして、住宅系、老人福祉施設系では関係なさそう・・と思いがちですが、あるんです!!

エアコンです!!

特手施設一覧の中には

二、空気圧縮機及び送風機(原動機の定格出力が7.5キロワット以上のものに限る。)

と記載されており、空調機の中には圧縮機(コンプレッサー)と送風機が内蔵されているので、極論いえば、住宅であっても大きなエアコンの室外機がこれにあたる場合もあるということです。

更に注意しなければならないのが、

各都道府県・市町村の条例や工業団地の協定等で別途定められている場合があります。

例えば上記の7.5キロワット以下というのが3.75キロワット以下とか、厳しくなっているケースもありますので、必ず確認してください。

2.環境基本法

この法律の中では、主に騒音に対する環境基準に関して記してあります。

第16条 1項 政府は、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音に係る環境上の条件について、それぞれ、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準を定めるものとする。

望ましいとありますので、義務ではありません。

しかし、一つの設計基準にはなると思います。

ではその望ましい基準について環境基本法にはありませんが、環境省のホームページ

「騒音に係る環境基準について」というところから告示が出ています。

環境基本法(平成5年法律第91号)第16条第1項の規定に基づく騒音に係る環境基準について次のとおり告示する。
環境基本法第16条第1項の規定に基づく、騒音に係る環境上の条件について生活環境を保全し、人の健康の保護に資する上で維持されることが望ましい基準(以下「環境基準」という。)は、別に定めるところによるほか、次のとおりとする。

中に記されている区域は、都道府県知事(市の区域内の地域については、市長。)が指定し、それぞれの区域に応じて、昼間・夜間でそれぞれ基準値が設けられています。

繰り返しますが、義務ではないですが、立派な設計基準になる数値です。

やはり設計者としては一つの根拠として知っておきたいところです。

3.建築基準法

建築基準法で音と言えば、長屋・共同住宅の住戸間の界壁の性能です。音というのは振動数によって、聞こえ方が異なるので、振動数によって界壁の透過損失の最低基準が決められています。

透過損失【dB】はその名の通り、音が壁を透過するときに損失するエネルギーのことで、これが大きいほど、遮音性能が高い壁ということになります

法第30条
長屋又は共同住宅の各戸の界壁は、小屋裏又は天井裏に達するものとするほか、その構造を遮音性能(隣接する住戸からの日常生活に伴い生ずる音を衛生上支障がないように低減するために界壁に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。
施行令 第22条の3
法第30条の政令で定める技術的基準は、表の左欄に掲げる振動数の音に対する透過損失がそれぞれ同表の右欄に掲げる数値以上であることとする。

振動数 [Hz]  透過損失 [d B]
125      25
500      40
2000      50

以上が、主要な音に関する法律になります。しかし遮音設計とは難しいものです。外部騒音に対して、この数値にしなさいという法律はありませんし、あくまで望ましいとしか書いていません。ここにはありませんが、日本建築学会の指針もあくまで参考値・・・・なぜでしょうか?

それは、建築物が建っていない状態で、音の聞こえ方なんて100%わからないんですね・・・。

建築してから、室内で外部騒音を測定して遮音性能が不足していたらどうするのでしょうか?

その時点で、建て替え?・・・そんな馬鹿な話ないですよね。

一般的に外部騒音に対する遮音性能を義務付けること自体が無理があるわけです。

とは言うものの、このような推奨値があることを踏まえ、

建設前の状態でも簡易な測定器で測定し、基準値を目安にした

遮音設計を行うことが、最低でも必要かもしれません。

本日もご一読いただき、ありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました