こんばんは。今日も年金ついてです。
皆さんは近年、年金法が改正されたのはご存じでしたでしょうか?
恥ずかしながら、私も最近知りました。
「改正年金法」で検索し、厚生労働省のH.Pをクリックすると
年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました
とデカデカと載っています・・・。
概要はこんな感じです。
令和2年5月29日、「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」が成立し、6月5日に公布されました。
この法律は、より多くの人がこれまでよりも長い期間にわたり多様な形で働くようになることが見込まれる中で、今後の社会・経済の変化を年金制度に反映し、長期化する高齢期の経済基盤の充実を図るためのものです。
上記の内容から以下の背景あるように読み取れます。
・60歳で引退せず、その後も働き続けてほしい。
・少子による給付金が減少します。働き手の現役期間を延長するとともに女性にももっと働いてもらって給付額を増やしたい。
・長期高齢化に伴って、現状の年金制度に加え、個々に経済基盤を強くしていってほしい。
更に簡単に言うと
年金の給付金が集まらなくなってくるので、高齢者や女性に働いてもらって、足らない分は個人で資産運用して補填してね。
という感じでしょうか・・・。
それを踏まえ、改正内容に触れていきましょう。
改正のポイント
①被用者保険(厚生年金保険・健康保険)の適用拡大
②在職中の年金受給の在り方の見直し(在職老齢年金制度の見直し、在職定時改定の導入)
③受給開始時期の選択肢の拡大
④確定拠出年金の加入可能要件の見直し等
・・・ちょっと難しいですよね。
私の現役社会人目線(自分目線)ですが、中身に触れていきたいと思います。
①厚生年金、健康保険の対象者拡大(パート、アルバイトも対象の可能性あり)
厚生年金・健康保険加入者条件が、ゆるくなりました。
これにより、厚生年金・健康保険加入者が60万人程度上がるようなので、
年金の給付金を増やすことができるようです。
②働きながら年金受給ができるルール変更
通常は基本、65歳以降しかもらえませんが、
ある条件を満たすことで60~65歳でももらえる年金があります。
それが特別支給の老齢厚生年金というものです。
これは働きながらでももらえる年金ですが、
所得に応じて減額の条件があります。その条件が緩和されています。
年金+給料が月28万円以上(改定前)→47万円以上(改定後)のとき減額
うれしい改定だとは思いますが、
しかしながら、ざっくり言うと対象者は
男性:昭和36年4月1日以前に生まれた人
女性:昭和41年4月1日以前に生まれた人
で若い人は対象にならないので、個人的には関係してきません・・・。
次に65~70歳における年金受給のルール変更があります。
年金は基本65歳からもらえますよね。
しかし、65歳以降働いていると、厚生年金を払いながら年金を受給することなります。
受給額はどうなるのでしょうか?下記のようにルール変更となります。
70歳以降に反映 → 66~69歳に随時反映
要するに納めるほど、翌年に納めた年金が増えるということになります。
うーん、だから働き続きよう!!とそこまでなれるような内容でもないですかね。
③繰り下げ受給が75歳までOK(MAXで年金受給額が84%UP)
今回の改正により年金の繰り下げ受給を
70歳まで繰り下げできたのが、75歳まで繰り下げられることになります。
繰下げ受給というは1ヶ月遅らせるごとに0.7%ずつもらえる年金が増える制度です。
今までは5年まで遅らせることができたのですが、
これからは最大10年遅らせることができます。
なのでもし65歳からマックスで、75歳まで繰り下げると・・・。
0.7%/1ヶ月×12ヶ月×10年=84%・・・。
84%年金増額!!
でかくないですかっ!!
たとえば、年金で毎月18万で、年金だけでは心もとない・・となっていたのが
18万×1.84倍(100%+84%)で33.12万円!!
余裕のある老後生活です・・・。
いやいや、年金もらえる前に死んだらどうするねん!!
と思いがちですが・・・亡くなったらお金も何もないですよね・・。
問題は、長生きしたときに経済的に豊かな生活ができるかどうか
だと思います。
これは考え方かもしれませんが、
75歳まで年金を受給せずに、生活できる計画を立てることが、
一つのリタイアへの道筋かもしれません・・・。
またこの時に重要なのが、健康であることだと思います。
もし老後資金が貯まらなくても、健康を生かして75歳まで働き、
繰下げ受給により豊かな老後資金を確保する。
更に75歳から繰下げして増額になった年金を受け取っても、
健康で長生きすることで、元が取れる(88歳ぐらいですかね・・・)
と、健康であることのメリットが素晴らしくあります。
やはり「健康寿命」って大事なキーワードですよね。
このあたりについても、また記事にしてきたいです。
4.iDecoの見直し(運用期間5年増。会社員でも併用しやすくなる)
iDecoとは、簡単に言うと、私的年金制度で所得を得ながら非課税で運用できる制度です。
主な変更内容は以下になります。
・加入可能年齢が60歳から65歳に延長
この5年はかなり大きいです。投資の概念がわかっている人は実感されると思います。
・加入対象拡大
今までは60歳未満で国民年金に入っている人が主な対象
改正後は、会社員でも本人の意思で入れる。
現状、会社員がiDecoを使用するにはかなり条件が厳しく、会社自体もそれをクリアするために様々な手続きが必要なため、特に中小企業では採用することに後ろ向きな状態でした。
それが改正され、会社員でも本人の意思で加入することができます。
ただし、掛け金の制限はそれぞれ異なります。
(元々、厚生年金と国民年金の間の穴埋めのようなものだったので)
如何でしょうか。
特に今回の改正、
3の「年金繰下げ受給」と4の「iDecoの改正」
これは重要じゃないでしょうか?
今後の人生設計に、大きく影響する内容だと思います!!
本日もご一読いただきありがとうございました。
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